中継無線ノードの移動を用いた無線マルチホップ配送における動的な移動経路変更手法

摘要

無線マルチホップネットワークでは, 互いに隣接する中継移動無線ノード間で構成される無線マルチホップ配送経路に沿ってデータメッセージが順次転送される.移動無線ノードが疎に分布する場合や移動無線ノードの分布が地理的に偏っている場合には, 中継移動無線ノードが通信バッファにデータメッセージを保持し, 転送可能となる位置まで移動する. このように, データメッセージの転送とデータメッセージを保持した移動との組合せによって無線マルチホップ配送を実現する従来手法では, 特定の中継移動無線ノードのみが移動するために消費電力が不均等となり, データメッセージを保持したままで移動しない中継移動無線ノードが存在することによって配送遅延が延長する. 本論文では, 転送と保持移動を組合わせた無線マルチホップ配送経路を動的に変更することで, 中継無線ノードの移動に要する消費電力を均等化し, データメッセージの配送遅延を短縮する手法を提案する.