Ce 添加CsCl-CaCl_2-ZnCl_2 ガラスの光学および光刺激蛍光特性

摘要

蛍光体を用いた線量計 (ドシメータ) は、放射線のエネルギーを一時的に蓄積し、熱や光などの刺激により発光を読み出すことで線量計測を行うものである。このようなドシメータ材料に求められる特性として高い発光強度、少ないフェーディング、 照射線量に対して発光強度が比例関係にあるなどが挙げられる。先行研究では酸化物や硫化物など様々な材料系で報告されているが、ハロゲン化物ガラスに関する報告はほとhどない。そこで我々は塩化物でガラスを形成するZnCl_2 系ガラスに着目した。近年、Ce 添加CsCl-BaCl_2-ZnCl_2 ガラスは高い量子収率 (～75.7%) を示す報告をしたが、私たちの知る限りZnCl2 系ガラスのドシメータ特性を評価した報告はない。本研究ではCe (0.01, 0.05, 0.1, 0.3, 0.5%)を添加した20CsCl-20CaCl_2-60ZnCl_2 ガラスを作製し、Ce 濃度変化に伴う光学および光刺激蛍光 (OSL)特性への影響を調査した。