ハンドヘルド型装置による光音響像のアーチファクト特定?除去のための基礎的検討

摘要

光音響イメージングは，腫瘍や炎症性疾患などで増殖した血管の分布や酸素飽和度を可視化することで，癌やリウマチなどの診断への応用が期待されている．そこで光音響像と超音波像を同時に簡便に撮像可能なハンドヘルド型超音波プローブを用いた装置を開発した2)．この装置には計測が簡便であるという利点がある反面，組織境界面での反射によるクラッタノイズにより画質が低下するなどといった問題が存在する．この問題に対して単一波長での計測により画質改善を行う方法が考案されているが，その性能は必ずしも十分とは言えない．そこで本研究では，多波長計測により光学特性の組織特異性を用いてクラッタノイズを特定する方法を考案し，血管模擬ファントムの多波長計測により提案手法の可能性を検証した．