アミン·水·エーテル·CO2混合系吸収液の密度·粘度の測定とモデル化

摘要

地球温暖化対策としてCO2の回収·貯留技術（CCS）、 回収·利用技術（CCU）が注目されているが、CO2の分 離回収段階で大きなコストがかかることが難点であっ た。そこで当研究室は、大規模CO2排出源からのCO2分 離回収技術の省エネ化を目的として新規に相分離型CO2 吸収剤を開発した。この溶液はCO2の吸収/放出で2相/1 相になる性質を持ち、従来のMEA(Monoethanolamine)30 wt％溶液よりも少ないエネルギーでのCO2分離回収が見 込める。 吸収液の実用化に向け、液の密度、粘度の情報はシ ミュレーションや塔の設計に必須な情報となる。特に 相分離型CO2吸収剤は相分離前後で組成が大きく変化す ることから、広範囲の組成を表現できる密度、粘度の 推算式開発が必要となる。本研究では、溶液がCO2を吸 収するときにアミンとCO2が反応することで生成される カルバメートの物性値を測定結果から推算し、１つの 純成分として式に組み込むことで、吸収前後、また2相 に分離した場合、その両方の相の物性値も１つの式で 組成情報から推算できるように変数をフィッティング し結果をまとめた。