道路交通騒音マップ作成のための技術的現状及び課題

摘要

交通騒音マップ（超広域騒音コンクー図）を描画?公開?活用する取り組みは世界の主流となってきている。欧州では個別の建物毎のレベルがわかる空間分解能をもつたノイズマップが公開され、政策立案に活用されている。米国でも、2017年3月から運輸省(U.S. Department of Transportation)が全米（アラスカ州、ハワイ州を含む）の道路交通騒音および航空機騒音のノイズマップをweb上で公開しており（図1)、またそのデータは誰でもダウンロードすることができる。欧州との主な違いは、1. 24時間の等価騒音レベル（L_(Aeq,24h))を採用している、2. ノイズマップの空間解像度が低く 「national and county-level data」と表現している、3. 公開している騒音レベルに対して「potential exposure (起こりうる曝露量）」という表現を用いている、4. 海上騒音が追加される予定である一方で工場騒音は含まれていない、5. また誰でもデータをダウンロー ドして二次分析が可能である、ことが挙げられる。現時点では「first phase」のノイズマップとなっているため、今後空間分解能の向上や他データが追加されると思われるが、ノィズマップデータが誰でも人手可能かつ二次分析に活用できる点は、我が国でのノィズマップ活用にとって大いに参考になると思われるため、今後の動向に注視する必要がある。