知覚できない聴覚刺激による誘発脳波を用いた生体認証の研究

摘要

我々は，脳波の個人認証への利用を試みている.脳波は脳内から自発的に発生し，無意識に生体情報 の提示が可能である.さらに，脳波計の装着によって検出されるため，秘匿性に優れている.本研究では，システ ム利用中での継続した認証を想定し,知覚できない聴覚刺激によって発生する誘発脳波を用いた個人認証の検討を 行っている.本稿では，知覚できない聴覚刺激としてハイレゾリューション音源から超音波刺激を作成し，これを 提示した際に誘発される脳波のスぺクトルから，ユークリッド距離による認証精度の評価を行った.被験者数10名 の場合での照合実験では，電極AF3での測定から導出したEERは22%であった.