部分影発生時における太陽電池パネルの発電量を向上させる補償器と昇圧型PWMコンバータを一体化した統合型コンバータ

摘要

複数のサブストリングの直列接続により構成される太陽電池パネルに部分影が発生すると，各サブストリングの電気特性にばらつきが生じ，発電量の大幅な低下ならびに複数の最大電力点の発生を招くことが知られている.各サブストリングの電気特性を疑似的に均一化することで上記の問題を解消する補償器が提案されているものの，パネル制御用の昇圧型コンバータに加えて補償器が追加で必要となるためシステムの複雑化及び回路の大型化が問題となる.本稿では，昇圧型PWMコンバータと補償器の一体化によりシステムの簡素化ならびに回路の小型化を実現可能な統合型コンバータを提案する.実機検証では，4直列サブストリングを想定した補償実験を行い，パネル電圧を昇圧しつつ21.7%の発電量の向上及び最大電力点が1点に収束したことから提案コンバータの有効性を示した.