放射空調システムによる中小規模オフィスのZEB化改修に関する研究その2 夏期?冬期における現状室内環境の把握及びCFD解析による事前検証

摘要

本報では、小規模オフィスを対象に実測調査及びアンケート調査を行い、温熱環境の実態を把握した。また、実際の執務空間を再現したCFD解析モデルを作成し、夏期及び冬期の定常解析を行つた。実測結果との比較により、解析モデルの予測精度は概ね良好であつた。現状対象執務空間において夏期は室温が低めで運用されていたこともあり、PMVが-0.5以下となっていた。冬期はPMVは良好であったが、上下温度差が大きく温熱環境に改善の余地があった。放射空調の導入及び外皮の高断熱化により、水平面?鉛直面温度分布が均一化されると共に上下温度差も解消された。このことから改修による放射空調システムの導入及び快適性の面で外皮断熱が有効であることが示唆された。