光ファイバを用いたPC張力計測技術のグラウンドアンカーへの適用

摘要

PC構造物では，導入されるプレストレスが設計の前提であるため，施工時にPCケーブルによって必要な張力が確実に導入され，供用中の変動が想定される範囲内であることが重要である。これに対し，施工時から供用中までのPCケーブルの張力分布を計測できる光ファイバを用いたPC張力計測技術（図)1）を開発し，PC橋梁を対象として適用を進めてきた1）。一方，PCケーブルを緊張して斜面を補強するグラウンドアンカーでは，斜面内のすべり面の発生やその位置，地盤内における定着力の変化などを検知することが維持管理において有用であり，本技術によりPCケーブル全長における張力を測定することでそれらを実現できる可能性がある.ここでは，本技術のグラウンドアンカーへの展開を目的として実施した各種検討と，現場での適用実績について述べる。