直線状逆相直列コイルを用いた欠陥同定法

摘要

強磁性体構造物の非破壊検査手法である漏洩磁束（Magnetic flux leakage：MFL）探傷法は，火力発電所の熱交換器や石油·天然ガスパイプラインの探傷などで広く用いられている[1]，[2]，[3]．配管のMFL法では，管を管軸方向に交流磁界で磁化し，欠陥部から漏洩する磁束を磁気センサで検出する．従来法では，管の円周方向に磁気センサをアレイ状に並べ，これを軸方向にスキャンする手法が多く用いられている．例えば，パイプラインの探傷用に24個のホール素子を用いたセンサアレイなどが開発されている［3］．しかしながら，これらの手法を，熱交換器で用いられるΦ10～20mm 程度の細い管の探傷に適用しようとすると，挿入可能なセンサ数が限られ，円周方向の分解能が落ちるという問題点があった．また径の大きな配管の場合でも，センサ素子数と配線，処理回路が増え，装置が大がかりになるという問題点があった．