床振動に対する電子天秤の動的挙動解析

摘要

近年，食品業界や半導体·電子機器業界などの産業界において，作業効率の向上を目指して，コンベア上を移動する搬送物の高速·高精度での質量計測が重要視されている．この実現には連続秤量が必要不可欠であり，搬送物1個当たりの計測時間をできる限り短縮することを意味している．現在では，1分間に240個（1個当たり0.25秒での質量計測）の搬送物の質量を高精度で計測することが要求されている．電子天秤による質量計測方法は，大きくロードセル式と電磁力平衡式とに分類される．前者は測定機構の変位から質量を計測する偏位法であり，後者は測定機構に取り付けられたレバーを電磁力によって平衡に保つように電流を制御し，その電流を基に質量を計測する零位法である．電磁力平衡式は，印加できる電流に限界があるため質量の計測範囲は限られてしまうが，本研究では，高速かつ高精度での質量計測を目指すことから，電磁力平衡式が採用された電子天秤を対象としている．