偏極中性子反射率によるFe_3Si/FeSi_2_(20)人工格子の磁気構造解析

摘要

[Fe_3Si/FeSi_2]_(20)超格子の磁気構造を偏極中性子反射率法を用いて決定した。磁化に対し90°方向に反強磁性成分を持つノンコリニアな強磁性構造を持つことが解った。磁性層Fe_3Siの磁化は、非磁性半導体層FeSi_2を介して、交互に等角ずつ回転していた。反強磁性に由来するブラッグピークは4Kから温度上昇に伴って消失していき、200にから300Kの間で完全に消失する。過去の研究では、磁化測定から温度上昇に伴って強磁性層間結合から反強磁性層間結合に変化することが予想されていたが、異なる結果となった。これは過去の研究ではコリニアな磁気構造を仮定していたためであった。