残留有機ハロゲンと不完全燃焼に着目した燃焼場におけるCl 系および Br 系難燃剤の比較

摘要

Br 系およびCl 系難燃剤は安価で難燃性の高い物質として, 世界中で幅広く使用されている. しか し, それらの一部は燃焼により有毒ガスやダイオキシン類が発生することが懸念され, 法規制されて いる1). 含難燃剤の製品も廃棄物となったときには焼却処理される. その際, 廃棄物に含まれる難燃剤 は焼却処理の過程で完全な無機化が期待されるため, 廃棄物焼却施設を想定した難燃剤の燃焼挙動を 調べる必要性がある. 本実験ではBr 系難燃剤として, テトラブロモビスフェノールA（以下 TBBPA） およびヘキサブロモシクロドデカン（以下 HBCD）, Cl 系難燃剤として長鎖塩素化パラフィン（以下 LCCP）, 難燃剤でないBr 芳香族·Cl 芳香族としてテトラブロモベンゼン（以下 TeBB）およびテト ラクロロベンゼン（以下 TeCB）を燃焼させ, オフガス中の無機ハロゲン（Br- およびCl-）, 有機ハ ロゲン（C18 カラムによる固相抽出画分）および一酸化炭素（以下 CO）を計測した. その結果, ハロ ゲンの種類による特性が見られたので報告する.