奇標数体上で生成される幾何系列の自己相関

摘要

暗号理論的擬似乱数(CSPRNG: Cryptographically Secure Pserudorandom Number Generator) は暗号プリミティブとして現代の情報セキュリティ技術へ不可欠な役割を担っている．NTU 系列と呼ばれる擬似乱数生成器は，その乱数的な特性が理論的な側面から幅広く評価されるとともに証明が与えられているCSPRNG の1 つである．しかしながら，NTU 系列におけるビット分布はマッピング関数の定義により偏りが生じており，一様化手法が必要となる．本稿ではNTU 系列に対して一様化手法を適用するとともに，一様化したNTU 系列の自己相関を観測することでその手法が従来のNTU 系列の乱数特性に与える影響を調べる．その結果，本稿で用いた一様化手法は従来NTU 系列において高い値を示していたピーク値を抑制することにも寄与することが判明した．