高精度数値解析によるインドの伝統打楽器「タブラ」の形態創生

摘要

膜鳴楽器は，薄い材料でできたヘッドを面 状に張り，それを振動させることによって音 を出す楽器であり，その演奏法は手やバチで 打つものが多い。膜鳴楽器はメロディを奏で る弦楽器などと異なり，ヘッドの物理モデル となる膜の振動の性質上，一般的にはピッチ (音の高さ）感はない。しかし，ピッチ感を有 する膜鳴楽器も少なからず存在する。ティン パニ一はその代表的な例であり，ォーケスト ラの楽譜では五線譜を用いてティンパニーの 音階が示される。ティンパニーが明瞭なピッ チ感を有する理由の一つは，ヘッドの振動と ケトル内外の空気の振動（すなわちティンパ ニー周囲の音場)が連成することにより，へッ ドの固有モード周波数が変化して整数比に近 づくことである。