スレッドローリングねじ(Φ16)で接合された貫通継手の気密性?水密性に関する検討

摘要

既設橋の鋼部材補強に用いる接合方法は，高力ボルト摩擦接合とすることが多い．補強対象が密閉部材の場合は，ボルト軸部より部材の孔径が大きいことから，孔あけにより飛来塩分を含hだ空気や雨水が部材内部へ侵入する可能性があり，密閉部材内部の防食性の低下が懸念される．一方，近年，孔壁にめねじを形成しながらねじ込むスレッドローリングねじ(以下，TRS という)のΦ16 サイズが開発され，補修補強に用いられている2)．TRS は，ねじ自体が孔壁にねじ立てすることから高力ボルト摩擦接合より密閉性が高いことが想像される．本報では，腐食環境の厳しい海峡部長大橋である瀬戸大橋の耐震補強工事において，密閉箱断面であるトラス桁の主横下弦材に対し座屈防止補剛リブを設置するにあたり，TRS による貫通継手の密閉性確認のために気密性試験及び水密性試験を実施した内容を報告する．