時空間暴露量概念を用いた重要伝統的建造物群保存地区における歩行者空間の現状評価:佐原の町並みを事例として

摘要

古くからの暮らしや町並みが残る地域を保護する「重要伝統的建造物群保存地区」（以下重伝建地区）は，観光地であるとともに一般住民の生活の場である．よって，観光客の快適な散策と住民の生活を両立するまちづくりが求められる．一方，国内の地方都市では空き地や空き家が無秩序に駐車場へ転用されるケースが問題視されており，特に重伝建地区においては，町並みが虫食い状になることで町の魅力が損なわれる恐れがある．そこで本研究では，重伝建地区における駐車場配置と歩行者空間の現況把握を行い，駐車場を出入する車が歩行者の歩きやすさにどの程度の影響を与えているのか明らかにすることを目的とする．本研究では，道が狭く歩行者と車のすれ違いが危険だと問題視されている香取市佐原を対象地区とする．