壁石と中詰材の関係に着目した石橋模型の崩壊挙動の実験検討

摘要

2016年4月14日と16日の深夜に発生した2回の直下型の熊本地震により，熊本城の石垣や石橋の壁石あるいは古墳の石積ドーム等の石積構造に大きな被害が発生した．石積構造であっても使用石材の形状や大きさ，積み勾配，裏込め材（中詰材）等により被災状況も差異があったようである．本研究では,壁石の孕みだし，壁石崩壊や緩み，高欄崩壊や破壊などが発生した石橋に着目し，地震による石橋の壁石被害について原因の解明と崩壊挙動の検討を試みたものである．壁石形状と中詰材との関係を明らかにするため，壁石を有する石橋模型を用いて正弦波による振動試験を行った．模型に使用する壁石の形状と中詰材の種類を変化させた模型を用いて，正弦振動に対する崩壊に至るまでの挙動の評価及び崩壊に至る要因について検討した．