3d 遷移金属酸化物の酸素発生触媒活性と酸素多面体ネットワーク構造の相関

摘要

3d 遷移金属酸化物は酸素発生反応(Oxygen Evolution Reaction: OER)の優れた触媒として知られており、組 成·構造の自由度の高さから、スピネル型やペロブスカイト型の酸化物が多く研究されている[1, 2]。いずれ の構造においても八面体サイトの金属イオンが主な活性点であると考えられている[3]。スピネル型酸化物で は八面体が辺を共有しているのに対し、ペロブスカイト型酸化物は八面体が頂点を共有したネットワーク構 造を持つという違いがあるが、両者のネットワーク構造の違いに着目したOER 触媒の研究例は少ない。スピ ネル型構造では八面体サイトに加えて四面体サイトにも遷移金属イオンが存在し、八面体のネットワーク構 造の違いのみに基づいた議論が困難であることが主な理由の一つである。