経皮麻酔薬における吸収促進剤の in vitro 評価

摘要

局所麻酔薬とは、感覚の受容器に作用することで、 身体の特定の一部分のみの感覚を消失させる薬物であ り、採血·注射等の穿刺疼痛の緩和、神経障害性疼痛 の治療や簡単な外科手術などの医療施術の際に用いら れている1) 。 局所麻酔の主な投与方法は注射であるが、注射投与 は侵襲的で痛みが伴う他、専門知識が必要であったり 二次感染のリスクが伴ったりするため、新たな投与方 法が求められている。そこで着目されたのが、経皮投 与である。経皮投与は非侵襲的で、痛みが伴わず簡便 な投与方法であり、麻酔だけでなく様々な薬物で新規 投与法として期待されている。局所麻酔薬の経皮投与 も穿刺除痛において期待されているが、現在の市販品 は痛みを完全に除くことができないことや、1時間以 上の投与が必要であるという問題から普及していない。 しかし、これらの市販品は効果が薄く、患者の痛みを 完全に除くことができず、麻酔注射の補助程度として 用いられており、患者に痛みを強要する形となってい る。