タンパク質試料への情報の符号化を用いたNMR 解析法

摘要

核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance; NMR)法は、磁 気共鳴現象を用いて原子核を観測する分光法であり、タ ンパク質等の生体分子の研究にも広く用いられている。 タンパク質の立体構造や分子内運動を調べることができ るのがNMR の強みである。 本発表では、我々が開発した「符号化標識法（Stable isotope encoding; SiCode）」[1,2]について述べる。高難度 のタンパク質のNMR 解析において、NMR スペクトル上 の各シグナルがいずれのアミノ酸に由来するかを知るこ とができれば有用である。符号化標識法は、あらかじめ アミノ酸の情報を符号化したタンパク質試料を数種類調 製し、観測したシグナルの強度比から復号することによ り、アミノ酸の情報を得る方法である。