特定非営利活動法人·非線形CAE協会 創立20周年に向けて

摘要

特定非営利活動法人·非線形CAE協会[1]，[2]は，2001 年から始まった「非線形CAE勉強会」を母体とし，計算力学の研究者と，CAEを実務として使用する技術者が手を結び，シミュレーションに関わる教育と研鑽の基盤を国内に作り上げることを目的とした組織である.東京都を所轄庁とし，2003年08月に設立認証を受けた.設立時の理事長は菊池昇·ミシガン大学教授（当時）である.協会の主たる活動である「非線形CAE勉強会」は，春秋の年2回2017年末までに計32回が開催され，のべ5000名の参加者を得て現在に至っている.この間，より能動的な活動の一環としてゴム·樹脂·金属材料のシミュレーション応用に関する分科会を立ち上げ，超弾性·粘弾性·ダメージ·異方性塑性などの構成則に関するユーザサブルーチン群をUMMDと称するシステムに統合した.本システムは2018年夏の公開を予定している.また後述のように，協会の活動の中で蓄積された成果は複数の成書として発刊されている.本稿は，協会の設立20年に向けてこれまでの経過を振り返り，将来に資する知見として整理することを目的としている.