一般化最小分散制御系の制御則極, 故障時定常値の数式表現

摘要

プラントの運用において, 最も重要な課題は安全性であ る. 安全性の向上策の１つとして, 耐故障制御(?) (?) がある. 耐故障制御とは, 過渡状態, および, 定常状態の両方で故障 の影響が大きくならないようにあらかじめ設計しておく方 法であり, (1) 過渡状態では, 過大なオーバーシュートや大 きく振動的になったり, (2) 定常状態では, 不安定にならな いだけでなく, 定常値が過大となったりする危険を避ける制 御である. 特に, 故障として, フィードバックが切れた場合 を想定した時, コントローラが安定に設計されておれば, 制 御入力は発散せず, 制御系は暴走しない. すなわち, 閉ルー プ系とともに, コントローラも安定とする強安定制御も耐 故障制御の１つである. しかし, フィードバックが切れた時 の定常値が有限であっても, その値が大きければプラント は危険である. そこで, 矢納ら(?) (?) は強安定率を定義して, 定常値を抑制する方法を提案している. しかし, 上述のよう に, 定常状態だけでなく過渡状態においても, その応答での 危険を避けなければならない. 過渡応答を決定するのは, 閉 ループ系の極, および, フィードバックが切れたときにはコ ントローラの極である. そこで, 本研究では, (1) 閉ループ 系の極, (2) コントローラの極, (3) フィードバックが切れた 時の定常値の3 つの制御仕様を決定する設計法を提案する.