外部応力下におけるTi－20mass％Mo合金中のω析出物からのα相の核生成

摘要

一般に，β型Ti合金を低温域で時効をするとβ母相より球状に近いの相が析出し，高温域で時効をすると棒状α相が析出する．また，ω相を析出後，さらに時効を続けることでω相上にα相が不均一核生成することが知られている．Monzenら1）はTi－20mass％Mo合金に300°Cで引張もしくは圧縮応力下で時効を行い，軸比が約2の偏重楕円体状ω析出物の核生成への外部応力の影響を調査した．そして，引張応力はω析出物の核生成を促進し，圧縮応力は核生成に実質的に影響しないことを示した．また，外力の向き，並びに負荷方向に沿ったω析出物とβ母相の間のミスフィットの符号に依存して，結晶学的に等価な4個のωバリアントの札特定のものが優先的に形成されることも示した．これらの結果は0析出物のミスフィットと外力の相互作用エネルギーより理解された．