ろう付加熱したAl-Mn系合金の機械的性質に及ぼす均質化処理およびろう付条件の影響

摘要

自動車熱交換器用部材の多くには3ⅩⅩⅩ系合金（Al-Mn、Al-Mn-Si-Cu）が使用されている。近年、熱交換器の軽量化要求から各部材には従来よりも高い強度が求められており、また、フィンなどの部材には高い導電率も要求される。そのため、添加元素量の増量や適正化が行われているが、製造上の問題等から限界があるため、成分調整以外で高強度化や高導電率化が図れればメリットは大きい。一般に非熱処理型合金であるAl-Mn系合金では固溶原子や分散粒子、結晶粒径などの金属因子によって材料特性が制御されるが、自動車熱交換器はろう付と呼ばれる600°C程度の高温短時間処理によって製造されるため、ろう付後の特性を向上させるためにはろう付前の材料製造時に作り込hだ金属組織がろう付工程中にどのように変化するかを把握する必要がある。そこで本研究では、ろう付加熱後の強度や導電率といった材料特性に及ぼす均質化処理、およびろう付条件の影響を調査した。