大気暴露試験及び複合サイクル試験によるマグネシウム合金板材の腐食試験結果

摘要

マグネシウム合金は実用構造金属中で最も軽量であることを生かして自動車部鼠モバイル機器などに利用されている。しかし，標準電極電位が非常に卑であり，塩化物イオンを含むような水溶液中では容易に腐食が進行する。そのため素材耐食性の向上や，優れた表面処理技術の確立が長年の課題となっている。これまで，マグネシウム合金の製品はダイカストなどによる鋳造材が主に使用されてきており，日本マグネシウム協会の表面処理分科会では，主に鋳造材の耐食性を大気暴露試験により評価してきた1）。近年では板材の開発が進められ，需要拡大が期待されているが，板材についての耐食性データについてはまだ十分ではない。そこで，大気暴露試験と塩水噴霧試験における腐食減量について調査し，第131回秋期大会で報告した2）。今回は各種マグネシウム合金板材の腐食減量を大気暴露試験及び複合サイクル試験により調査した結果を報告する。