アンモニアからの水素生成における粘土鉱物系複合新触媒

摘要

水素はエネルギー効率が高く、化石燃料に代わる新たなエネルギー源として注目されている。その一方で 水素社会を実現するうえでは水素を安価かつ安定して貯蔵·運搬するための水素キャリアの開発が必要であ る。アンモニアは高い水素含有密度（17.8 wt%）を有し、常圧化で-33°C、もしくは室温で 8 気圧の圧力を印 加することによって容易に液化するため保存や輸送が簡便である。またカーボンフリーであることから有害 物質を排出しないため、環境にやさしいエネルギーキャリア物質として有望である。しかし、アンモニアを 分解して水素を取り出すために 500°C以上の高い温度が必要な場合が多く、より低温で分解できる触媒の開 発が急務である。