カチオンの結晶学的複合効果に基づく メタン酸化カップリング反応における Li2CaSiO4の高触媒活性

摘要

石油枯渇により, 代替炭素資源として天然ガスの主成分であるメタンに注目が集まっている. しかし、メタ ンは化学的に安定な化合物であり, 部分酸化による他の物質への転換が困難である．そのため，用途が少ない メタンをさまざまな化学製品の原料となるエチレンに変換するメタン酸化カップリング反応 (OCM) は非常 に有用である．OCM に最も高活性な触媒の一つとして Mn-Na2WO4/SiO2 が知られている[1][2]．しかし，混合 物ゆえの複雑さにより, 活性点および反応機構が解明されず，実用化に向けて活性向上の指針が立っていな い．そのため，高活性触媒について設計指針の確立が問われている．当研究グループは, Li2CaSiO4が既知の 高活性触媒以上の活性を示すことを見出した. 本研究では, Li2CaSiO4 およびその関連化合物について比表面 積測定や塩基性評価などさまざまなキャラクタリゼーションを行い, OCM 活性の高活性要因について検討し た.