希土類複合酸化物触媒を用いたグリセリンの部分酸化によるジヒドロキシアセトンの生成

摘要

近年、化石燃料に代わるエネルギーとしてバイオディーゼルが注目されている。しかし、バイオ ディーゼルを合成する過程においてグリセリンが副生されることから、過剰供給されるグリセリンの高付加 価値化が探索されている。グリセリンの2 位のヒドロキシ基が部分酸化されたジヒドロキシアセトン（DHA） は、紫外線を必要とせず安全に皮膚を茶色く着色させる作用を有しているため、紫外線なしに日焼けしたよ うな肌を作れる日焼け剤（サンレスタンニング剤）として広く用いられている。しかし、グリセリンのヒド ロキシ基の反応性は末端の1,3 位の方が高く、2 位のヒドロキシ基のみを選択的に酸化させることは非常に困 難である。さらに、現在までにPt-Bi/MCM-41 触媒が高いDHA 生成能（3 気圧、80°C、4 h で、収率55%、選 択率65%）を示すことが報告されているが、高圧が必要といった問題点も有している1)。