高炉水砕スラグと廃ガラスを用いたセラミックタイルの作製

摘要

高炉水砕スラグは鉄鋼生産の際に発生する鉄鋼スラグの一種である。日本では年間 1900 万 t 生産 されており 1) 、現在は主にセメント原料として利用されているが公共事業の縮小によりスラグ需要量の減少 が懸念され、新たな利用用途の開拓が求められている 2) 。そこでスラグに廃ガラス(ブラウン管(CRT)パネル ガラス)を加えることで高付加価値を伴う新たな利用用途の開拓を目指した。これまでの実験によりスラグに ガラスを加えると比較的低温の焼成で試料が固まることがわかった。本研究で用いた CRT パネルガラスは かつてCRTへと再利用されていたが、液晶テレビの普及に伴い大量に廃棄され、 現在も回収され続けている。 しかし一般的なガラスの組成と異なるためリサイクル先は限られている。本研究では新たな用途として両者 を用いたセラミックタイルの作製を試み、XRD 測定や曲げ試験により評価した。