(P106)Co-Nb-Sn 系ホイスラー合金のマルテンサイト変態挙動および三元系等温断面状態図の作製

摘要

Co基ホイスラー合金はCo_(50)Nb_(25)Sn_(25)合金を除いてマルテンサイト変態の発現が報告されていなかったが、最近、新たにマルテンサイト変態を発現するCo基ホイスラー合金がCo-Cr-Ga-SiおよびCo-Cr-Al-Si系合金で発見された。この合金は通常の形状記憶効果に加え、冷却誘起形状記憶効果という特異な現象が発現することから、Co基ホイスラー形状記憶合金に注目が集まっている[1]。Co_(50)Nb_(25)Sn_(25)合金は、化学量論組成のみでの研究しかほとhど行われておらず、研究報告が極めて少ない。それらの研究の中で、マルテンサイト変態開始温度について、Antonoveらは233 K、Teradaらは100 Kと、報告者によって大きく異なっている[2,3]。また、形状記憶効果は確認されていない。そこで本研究は、非化学量論組成Co_(50)Nb_(50-x)Sn_x合金および種々の組成のCo-Nb-Sn合金を作製し、マルテンサイト変態温度や結晶構造の組成依存性について調査を行い、Co-Nb-Sn三元系等温断面状態図を作製することを目的とした。