(P93-P0134)押出後の冷却速度が異なる6005C アルミニウム合金押出材におけるミクロ組織観察

摘要

6000 系アルミニウム合金の押出形材は,押出加工性と機械的性質のバランスに優れることから建築·輸送の両分野で多く使用されている.その中で,6005C 合金は中強度構造用合金として開発された合金であり,押出性·プレス焼入れ性に優れる1).しかし、同合金は材料の製造条件によっては伸びが少なく粒界割れを示すことがある.粒界割れを促進する要因として,過剰のSi の領域である事,結晶粒の粗大化,押出時の冷却速度などが考えられる.これらは、粒界析出物の種類,大きさ,分布,PFZ の幅,あるいは時効後の粒内析出の状態に大きく影響を及ぼす2).本研究では,押出後の冷却速度の異なる空冷材（押出後ファン空冷したもの）と水冷材（押出後水冷したもの）の内部組織を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し,調査した.