フェライト系ステンレス鋼SUS429EXの疲労強度に及ぼすLaves相析出の影響

摘要

自動車の排気系部材は耐食性および耐酸化性に優れるフェライト系ステンレス鋼が主に使用されている．フェライト系ステンレス鋼の中でも，SUS429EXはNbを添加することで高温強度や耐SCC性に優れ，加工性がよいことから使用が広がりつつある．しかし，この材料を700~900°Cの高温で長時間加熱すると，NbがFeと結合してFe_2Nbの組成を有するLaves相が析出する．Laves相は硬くてもろいため，局所的に析出すると，機械的性質やじh性はもとより疲労強度に影響を及ぼすことが予想される．そこで本研究では，Nb含有フェライト系ステンレス鋼SUS429EXに700~900°Cの温度範囲で時効を施し，Laves相の析出様相について調べるとともに，軸荷重疲労試験を行い，疲労強度に及ぼすLaves相析出の影響について検討した．