Development of a Chair Based on Measurement of Buttock Shape

摘要

高齢者の自立支援や介護者の負担軽減のためには，座位の時間を増やし，寝た状態の生活時間を減らすことが重要である．しかしながら，筋力低下により姿勢保持力が衰えている場合，既存の椅子では安定した姿勢で快適に過ごすことは困難である．この結果，座る時間を減少させ，寝た状態の生活時間が長くなるという悪循環となる．筋力低下がある場合，ダイニングチェアでの姿勢の問題は，臀部のすべり，上体のつぶれ，背もたれ支持位置が適していない等があり，これらが原因による姿勢のくずれが生じ，転倒の危険につながっている．この問題の解決のためには，人の姿勢変化に対して座面や背もたれが適切に支持することが課題となる．そこで人の臀部形状の測定から導いたホールド性が高いシートに対し，ダイニングチェアでとられる上体姿勢の変化に対応できる背もたれ形状を取り入れることで，従来にない椅子の提案を行った．