(P5-P0137)リチウムイオン電池用珪素－珪化物系負極活物質材料における組織制御効果

摘要

理論容量（mAh/g）が現行の負極活物質の主流である黒鉛に比べ約9 倍大きい珪素は、車載用リチウムイオン電池向けの負極材料として期待が高い。一方で、純珪素は導電性の低さに加え、リチウムイオンの挿入·脱離（充電·放電）に伴う粒子の体積変化が顕著で、これら課題のために現状では電池材料として採用し難い。また、電極の導電性の向上のために混合する導電助剤の量を増やすことは、体積が限られた中では活物質量の減少に直結し、電池容量の低下をきたす。一方、珪素系活物質は充放電時の体積変化が大きいため、充放電を繰り返す過程で珪素粒子の微粉化、導電網の寸断、集電体からの剥離が生じる。今回は前回に続き、活物質材料の冷却速度の違いによる組織制御及び結晶子サイズ制御を図るとともに、充放電特性と微細組織等との比較·評価を通じて、電極活物質としての可能性について検討した。