(J78-1039)部分焼入処理およびオーステンパー処理によるマルテンサイト変態開始温度の変化Effects of Partial Martensite Transformation and Austempering on Martensite Transformation Start Temperature

摘要

鋼板の高強度化に伴い様々な材料が提案されている。高強度鋼板の多くはベイナイト、マルテンサイトおよび残留オーステナイトといった硬質な組織を有する複合組織鋼板である。そのミクロ組織を制御するには、これら硬質組織の生成過程を理解し、その相互作用を把握することが重要である。我々はベイナイトとマルテンサイトの相互作用に注目して研究を行っている[1,2]。今回、Ms とMｆ の間まで急冷する部分焼入処理の後にオーステンパー処理を施すプロセスにおいて、オーステンパー処理後の冷却中にマルテンサイト変態が再開する温度（通常のMs と区別するため、以下Mｒ とする）の変化を、炭化物生成を抑制するSi 量の異なる材料で調べた。