(330-0247)光学顕微鏡下でのin-situ 加熱?冷却観察によるTiNbAl 形状記憶合金の自己調整組織形成過程の解析

摘要

形状記憶合金は，マルテンサイト変態の際，互いに歪みを打ち消すような晶癖面バリアント(HPV)が組み合わさったクラスター(HPVC)から構成される自己調整組織を形成する．我々のグループによるTEM 観察[1]によって，TiNbAl 形状記憶合金ではI 型({111}typeI 双晶で結合)，II 型(<211>typeII 双晶で結合)，T 型(3 つのHPV が{111}typeI双晶で結合)といった3 種類のHPVC が優先形態であることが明らかにされた．光学顕微鏡を用いた広範囲における逆変態過程の観察結果[2]からも，それらのHPVC のみが形成されていることが確認されたが，形成過程の詳細は明らかになっていない．本研究では，TiNbAl 合金の正変態過程をその場観察し，変態の進行に伴う各HPVC の発生順序や頻度を明らかにすることを目的とする．