被災RC 造建物の残存耐震性能に及ぼす各部位の影響度評価法その2 提案手法の精度検証及び残存耐震性能に及ぼす部材の影響度と部材特性の関係

摘要

その2 では，その1 で提案した変形，減衰及び有効質量 を考慮した影響度評価手法の精度検証を行うと同時に，各 部材の剛性や破壊形式，架構内での位置関係等の部材特性 の違いが，建物全体の耐震性能へ及ぼす影響度の違いを検 討した。 1.崩壊形に関わらず，Pushover 解析を用いる，より詳細で正 確な3 次判定法を手計算可能である2 次判定法及び，より 緊急時の判定に適用可能な1 次判定法で概ね精度よく評価 できる。 2.各部材が残存耐震性能へ及ぼす影響は，変形が大きい層 にある部材ほど大きく，下の階程大きい。また，部材の剛 比が大きい程大きく，破壊モードで比較すると曲げ部材と せh断部材では，せh断部材のほうが小さい。 3.部材特性による建物全体の耐震性能へ及ぼす影響度の違 いK を検討した結果，中間層で最大値を，R 階梁で最小値 を示し，最小値に対する最大値は3 倍程度となった。また， 下層の層間変形が大きい建物ほど，Κ のとりうる最大値と最 小値の差が大きくなる。