欄間小壁と床下耐力フレームを活用した面格子面材壁補強システムと重要伝統的建造物群保存地区内に於けるその実践的応用

摘要

格子と面材を組み合わせた高性能壁体を挿入したフレ ーム構造構面を開発した。その耐力性能を十分に発現す る為にこれまで耐力要素として数値化されなかった床下 スペースと欄間小壁を活用して複合し、フレーム構造と した構面耐震補強方法を提案し、実大で面内水平載荷試 験を行なった。柱脚を固定しない礎石建て状況を再現す る為に、上載荷重を試験体上部に掛け、Wire pulley system を用いた。壁面部分で22.34kN/m、無壁面床下フ レーム部分で7,44kN/m という高耐力を示し、想定した性 能を満たした。この構面フレームを重要伝統的建造物群 保存地区内で築200 年を超える伝統的軸組木造住宅に挿 入し耐震補強を伴ったリノベーションを行った。