大城荻道地区における敷地囲いの類型研究（沖縄集落研究その2）

摘要

沖縄県では日本本州と違い、地震による被害は少ない が、台風の上陸が多いために暴風雨による被害が大きい 地域である。かつては台風から建物を守るためにあった 石垣と防風林は、戦後アメリカの影響を受けてブロック 塀に建て替えられていった。建物も台風に強いRC 造化 が進hだ今、敷地囲いの持つ存在意義はどういったもの であるのだろうか。敷地囲いの種類によって、敷地内だ けでなく、道やまちなみの景観を形成する空間構成は大 きく変わってくるのであろうか。今回調査を行った北中 城村大城荻道地区は、花咲爺会という、55歳以上の男性 で構成されている団体によって、集落内の清掃や植樹植 栽活動が行われており、「花と緑に囲まれた芸術の里づ くり」をコンセプトにまちづくりが行われている集落で ある。本調査では、沖縄の集落の敷地囲いの現状を、大 城荻道地区を事例とすることにより、今後の沖縄の景観 について考えるひとつの手段となり得ると考えている。