テクスチャ付き摺動表面におけるキャビテーション発生領域の可視化

摘要

本研究では，テクスチャ付き摺動表面でのキャビテーション発生に着目する．負圧領域でのキャビテーションは負圧を引き上げる効果があり，負荷容量を向上させる事が期待されている．現在は，大気圧以下をキャビテーション発生領域とする「ギュンベルの条件」を適用する事が多いが，全ての場合に適用できるかどうかは明らかになっていない．真円型滑り軸受のような，負圧領域が大気と繋がっている場合は，周囲からの空気の取り込みによってキャビテーションが発生するため，負圧部は大気圧となると認識されている．しかし,負圧部が大気と繋がっていない場合についてのキャビテーション発生に関する報告はいまだ少ない．そこで本研究では後者の条件におけるキャビテーション発生圧力の検討を行う．そのために，ヘリングボーン溝付き動圧軸受をテクスチャ付き摺動面として採用し，その面内における流れ場解析及び，キャビテーション可視化実験を行う．