超磁歪素子を用いた車いす駆動力計測システムの開発―駆動力計測結果

摘要

現在様々な車いすが販売されているが,使用者に適合した車いすを処方するには様々な条件を検討する必要があり,その適合条件は経験などの主観的方法に基づいていることが多いのが現状である.そこで,車いすの駆動力や速度に着目してこれらを対象者の生活環境条件で測定し,定量的なデータとして車いす処方時の指標にできれば,対象者の保有能力,使用目的に適合した車いすを選定出来るのではないかと考えた.駆動力計測システム自体は既に存在しているが,計測システムと車いすが有線接続であるものが多く,無拘束で,実環境で計測できないという点が問題である.本研究では,様々な車いすに装着して計測できる軽量·コンパクトなハブ一体型の車いす駆動力計測システムを目指している.そこで,超磁歪素子を用いた力センサを構成し,駆動力計測システムを試作した.この試作機を用いて平地走行等で計測実験を行い,計測値の妥当性について評価を行ったので報告する.