認知症介護文援のためのキーワード検出に基づいた対語システム

摘要

近年，高齢者の数が増加しており今後も高齢化は進むと予想されている．そして社会の高齢化に伴い，認知症の患者数が増加しており，社会的な問題となっている．認知症を治す方法は未だ解明されていないが，認知症の進行を抑制する方法として，認知活動や社会交流をすることがよいと報告されている．しかし，今日では介護施設暮らしや独居をする高齢者が増加している．加えて，介護者不足が問題となっているため，認知症高齢者との身近なコミュニケーションの相手である近親者への負担が大きくなっている．また，認知症患者は最近の出来事をすぐに忘れてしまうことが多く，同じ会話が何回も繰り返されるケースが見られることも負担の一因である．そこで本研究では，近親者の代わりとなってコンピュータが認知症患者とコミュニケーションを取ることのできる対話システムを作成する．会話の内容としては，昔の思い出話が認知症の進行の抑制に有効であると研究されている．そのため，昔の思い出を聞き出すような，ユーザの情報を引き出す質問をすることができる対話システムを目指す．