ブリネル硬さ試験くぼみ計測の現状

摘要

ブリネル硬さ試験は超硬合金球圧子を介して試料に荷重を負荷し、試料上に形成された残留くぼみの直径dを計測して、くぼみ表面積当りの荷重により硬さを求める試験方法で、鋳造合金やその他の素形材の強度評価に重用されている。試験荷重や圧子の大きさには多くの種類が規定されているものの、直径D=10mmの圧子と、試験荷重P=3，000kgfなどの大荷重での試験に用いられることが多く、その利点としては、（1）引張強さ等の強度指標と良好な相関関係を有する。（2）ブリネル係数P/D~2が一定の場合には、同じ硬さスケールとして扱うことができる。（3）素形材や機械部品の母材の代表的、平均的な硬さ値を測定することができる。（4）鏡面仕上などの精細な試験面加工を必要としない。（5）油圧型の携帯用試験機や、くぼみ測定用の携帯型顕微鏡が普及していて、現場での試験に適している。などの点が挙げられる。