改良型減圧機構を用いたグルコース駆動

摘要

生体内における血液中のグルコース濃度（血糖値）は、主に脬臓のランゲルハンス島より分泌されるホルモンであるィンスリンおよびグルカゴンにより、適正な濃度に維持 されている。インスリンは血糖値を下げる役割を担うホルモンであることから、インスリンの分泌量や作用の低下に より発症する糖尿病の患者では、定期的に血糖センサにより血糖値を測定し、注射器ゃィンスリンポンプにてィンス リン投与することで血糖値を適正に安定ィ匕している(1)。しかし、注射器による自己投与による血糖値の制御では、投与 量を誤ることで低血糖や高血糖の状態となることから、血糖値の自己測定や投与量の自己管理および患者自身による 投与が必要である。また、近年では低血糖と高血糖の状態を改善するため、持続血糖測定からの情報をフィ一ドバックしてインスリンの投与量を自動調整する人工脬臓が開発され実用化されている(か(4)。しカゝし、既存のシステムは系が複雑で、外部電源を要するといった課題があり、外部からのエネルギー供給を必要とせず、血糖値に応じてィンスリン投与が可能なシステムが期待される。