水蒸気プラズマによるCOP とガラス系基板の異種材料接合

摘要

マイクロフルイディクスなどの蛍光検出系の流路デバイ スでは光透過性に優れ、自家蛍光の少ない材料を必要とす るが、石英などのガラス系材料は流路形成にエッチングを 伴うので加工に時間とコストを要す。シクロオレフィンポ リマー(COP)は樹脂でありながらバックグラウンドでの自 家蛍光が小さく、またインプリント法で容易に流路パター ンが形成できるので流路デバイスへの適用が期待されてお り、COP 同士やCOP とガラス系基板の異種材料を組み合 わせると高性能低コストの両立を図ることができる。しか しながらCOP 表面は疎水性であり、濡れ性や接着性が悪い ので接合には表面処理が不可欠である。これまでCOP 同士 の接合にはVUV(Vacuum Ultraviolet)を照射する方法が報 告[1][2]されているが、加熱と加圧を必要とするので流路パタ ーンの変形が生じる、あるいはVUV 照射によりCOP が変 質して自家蛍光が増大する問題[3]があった。COP とガラス の異種材料接合については、VUV やコロナプラズマ処理を 用いた方法が報告[4][5]されているが、処理後にシランカップ リング剤を塗布してから加熱加圧接合を行うので上述の問 題に加えて複雑な工程を要した。