アンチローリング装置を応用した車体傾斜台車の開発

摘要

従来の制御付き振子の傾斜性能を落とさずに台車の構造を簡単にするため，アンチローリング装置を応用した新しい車体傾斜機構を開発した．この車体傾斜機構を搭載した台車を試作して定置試験を行った．得られた結果を以下に示す． 1)振子式と同等の傾斜角である5°の車体傾斜が可能であること，また，高い応答性を持つことを確認した． 2) 左右の空気ばねを連通させることにより，車体傾斜中のロータリアクチュエータの負荷が軽減されることを確認した． 3) 車体重心の左右偏倚が大きい場合，ロータリアクチュエータの負荷が増大するため，重心偏倚を抑えた車体の設計?製造，重心偏倚を考慮した余裕のあるロータリアクチュエータの定格，直線区間における左右空気ばね連通解除などが求められる． 4) 車体傾斜中に異常などで制御を停止した場合，ロータリアクチュエータのブレーキにより必要な車体ロール剛性が確保されるが，制御停止後に走行を継続するには，非制御状態で車体を水平に戻す機能が必要である．今後は，本車体傾斜機構の実用化に向けた検討を進める予定である．