3次元ゲル包埋培養ヒト神経細胞の分化?成長に及ぼす動的力学刺激の影響

摘要

2007 年にヒトiPS 細胞が樹立されたことにより，iPS 細胞から組織や臓器を作成し患者に移植する「再生移植医療」の研究が注目を集めている．2014 年には加齢黄斑変性の患者を対象にiPS 細胞由来の網膜色素上皮細胞シート移植の臨床手術が行われた．また2018 年度中にはiPS 細胞由来の心筋シートを心不全患者に移植する臨床研究も開始予定である．これら再生移植医療における重要事項の1 つとして，3 次元組織の形成が挙げられる．ヒトの体は約60 兆個の細胞から成り，その組織の多くが3 次元的に構成されている．したがってiPS 細胞を用いた移植手術を想定した場合，組織の3 次元形成は必須と言える．