つくばチャレンジ2013：市街地を移動ロボットが自律的に走り回る公開実験

摘要

つくばチャレンジは「人々が暮らしている現実の世界で確実に働く」ロボットを作るため、研究者·技術者が具体的なロボットを試作して実環境で実験を行い、いろいろな方式を試してその経験と結果を互いに共有することを目的としている。また、これに合わせて、ロボット技術（特に自律移動ロボット技術）の現状を一般の市民に見てもらい、現在の技術について正しい理解を得ること、が第2の目的である。現状の自律移動ロボットの技術は、人々がいる中でロボットが自律的に期待される動作をするには、まだ大幅に不足している。そこで、つくばチャレンジでは、市民に危険を及ぼすことがないように、この移動ロボットの自律行動のチャレンジを、競技ではなく、共通の課題に向けて多くの研究·開発グループが集まって行う公開実験と位置づけている。一方、実世界で意味のある実験とするためには、「普通の」実世界でロボットを働かせる必要がある。従って、例えば、観客が多く集まりすぎて環境が普通の状態ではなくなることは避ける必要がある。そこで、つくばチャレンジは、日程を定め公開して行うものではあるが、人に見せるためのイベントとは位置づけず、見に来る観客は居ない方が良い、との立場をとっている。