水素および希釈水素放射状噴流拡散火炎の燃焼特性と火炎構造

摘要

現在, 21 世紀を迎えた現在の先進国のエネルギー使用量は，急激に増加している．消費エネルギーのほとhどを輸入としている我が国では,膨大に消費されるエネルギーの効率的利用が求められている．燃焼技術の利用は内燃機関，ガスタービン，ボイラ，家庭用小型燃焼機器まで多方面に及hでいるが，環境問題やエネルギー問題が懸念され，エネルギーの有効利用と燃料消費量低減の燃焼技術に関する研究が重要課題となっている．ガスタービンなどの燃焼器の火炎を安定的な燃焼形態の保持することにより効率的エネルギー利用ができる．近年ガスタービン等の燃焼器に対する要求としては，高温化にともなう「低NO_x 化」と「安定燃焼」の両特性の確保が必要とされる．燃焼方式に関しては，「拡散燃焼」と「予混合燃焼」があるが，「予混合燃焼」方式は，火炎温度を抑えながら燃焼が可能なため「低NO_x 化」に対して有利である．しかし，燃焼の安定範囲の幅が狭く不安定になりやすい問題を抱える．一方，「拡散燃焼」は可燃範囲が広く火炎は安定しているが，発生NO_x レベルが高い等問題を抱える．近年では地球温暖化などの観点から天然ガスや再生可能エネルギーも注目されている.低カロリーガス燃料を安定に燃焼させてエネルギーとして有効に取り出すことが求められている．そこで，クリーン燃料である水素に窒素などを混合させ，低カロリーガス燃料として実験を行う.本報では水平方向に放射状噴流火炎を形成するノズルを使用し,火炎を形成した場合の火炎挙動や化学種成分など数値計算とも比較しながら安定燃焼技術の確立を検討する.